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〜2002年3月9日:中津明神山つづき
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「こ、これを行けというのか?」
ほとんど廃道かと思われるような荒れた斜面に自然石を敷いたその道は、
足を乗せるとそのまま後方へずり下がって行きそうになるのだった。
これってどこまで続くの?と上方を見上げると、なんとなくその先には
再び林道が横切っている様子。
しばらくその場に固まって考えたのち、やめっ!下りて林道を回るぞ、と決断。
ずりこけそうになりながら半分尻セードで降りて、林道を回っていたら、
前方からご夫婦らしき男女が下山してきた。
登りはきつかった!と女性。さっきのずりこけの急斜面のことを聞いたら、
あそこはすごかったですよね、だから下りは林道を回ってきました、と言う。登ったのかあれを。
最後の登山口から山頂まで2キロと書いてありましたとのこと。
まあなんとか山頂を目指してがんばってみよう。
ほどなくして林道の分岐を矢印に従って右の支線に入ると9番目の登山口があった。
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8番目の登山口から登りかけて途中で引き返し、
林道を回って9番目の登山口までやってきた。 |
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9番目の登山口と、8番目の降り口が
表示されている。
これらの道標はとても心強かったす。 |
登って5分で再び林道に出て、目の前の斜面に10番目の登山口。これが最後の登山口だ。
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10番目の登山口。
ここからいよいよ中津明神山へ向けて登って行く。
約1時間30分の道のりだ。 |
登り始めると両側に針葉樹が生えてはいるものの、もう尾根は近いので大変明るく、
開放的な気分になる。が、勾配はきつい。
振り向くと向かいには、大川嶺や笠取山のある美川の山々がはっきり見え、
その斜面にはU字型に白く光る雪。美川スキー場のゲレンデだった。
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勾配のきつい笹道にふうふう言いながら
ふり返ると美川の山々。
右の方にU字型のゲレンデも見える。 |
笹原の斜面を休み休みゆっくり登り、水平な尾根に出ると登山道の下の斜面にはブナ林も現れ、
そこから吹き上がってくる風は冷たかった。
尾根を渡ると窪地へ下り、再び笹原の斜面を登っていく。
山頂のドームもだんだん実物の大きさがわかるほどまでになってきた。
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天気がよかったので「シェー」をしたくなった。
気分爽快! |
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山頂まであともう少し。
遠くからは見えなかったけど、
ドームの下は四角いビルになっていた。 |
やっと山頂に続く尾根に出ると、反対側の下方には吾川スカイパーク方面からの
車道と笹の稜線の連なり、その向こうには石鎚山系の姿が見え、気分爽快。
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尾根から北東には筒上山手箱山、石鎚山などがくっきり。
吾川スカイパークからの車道はさながら瓶ケ森線のようです。 |
山頂はいったん車道を歩いてドームの建つ笹原の下を通り過ぎ、
中津明神の祠の建つピークの笹の中にある。
大きな一等三角点と祠、電信柱などが窮屈そうに建ち並び、どこへ座って
もなぜか落ち着かない。裏手へ回って石鎚山系を眺めながら、おにぎりをほおばっていると、
静かな山頂で、さっきからずっと低く鳴りつづけているある音に気が付いた。
ブーンというその重低音の出所は、ドームのある建物全体から聞こえるようだ。
機械が作動する音なのかもしれないが、私には風が設備に共鳴して鳴っているような
音に聞こえ、それが「猿の惑星」シリーズの何作目かで、主役のチャールトン・ヘストンが、
生き残った人間の住む地底都市に入っていくときに鳴っていた音を連想させた。
その音は、地底都市に下りていく梯子に共鳴していて、梯子を掴むと止まり、
放すと再び鳴るというもので、あのシーンを連想してしまって、よけいに山頂の雰囲気が
空寂しく感じるような気もしてきた。
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中津明神山山頂。
祠はともかく、電信柱は…、興ざめっすけど〜。 |
硬く冷え切ったおにぎりを無理やり飲み込み、日が暮れないうちに下山することにした。
中津明神へは後日、今治のエルクさんご一行を案内するため再び登った。
そのときは10番目の最後の登山口まで1時間以上かけて林道を歩き、
登山口からは1時間30分ほどで山頂に着いた。
下山時に気付いたことだが、中津明神山の柳谷村側からの登山道には、
笹原の中に松類の若木がぽこぽこ芽生えていて、面白い景観を作っていた。
ときどき鹿の食傷の跡も見られたりする。
「こんないい登山道なのに、どうして登る人が少ないんじゃろう。」
とエルクさんがつぶやく。アクセスがちょっとねえ。
登山口までの道があんなに分岐だらけじゃあ、知ってる人に案内してもらわないと
なかなか来られないねえ、と参加の方も言っていた。
わたしも登山口を探し当てるまでに紆余曲折あったのだ。
登山道の大部分が斜面を直登するルートで、ザックが重いとつらいものがあるが、
笹原の中に一本通った道を、一歩一歩高度を稼いでいく行程はがんばり甲斐がある。
登山口までの道順を忘れないぐらいにときどき登らないと。
暑そうだけど、夏に咲く花も見に来てみたい。

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