たんねある記

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〜2002年6月8〜9日西、東赤石山縦走続き

牛車道へ回ると銅山越えまでは少し遠回りになるけれど、
景観が好きなので一人で来てもよく通るコースだ。ツガザクラの群生も見られるが、
予想通り花はすっかり終っていた。

水平な横崖の道をのんびり歩いていると、花の先生が突然立ち止まり、

 「あれっ、わたし、双眼鏡がない。」

と言い出した。
ダイヤモンド水の手前でオオルリを見た時は確かに手に持っていたのに、
ザックを下ろして探してもやっぱりないと言う。
どうやら、ダイヤモンド水で休憩したとき、テーブルかベンチの上に忘れてきてしまったらしい。
取りに戻る〜、と言うが、ここからだと空荷でも下りるだけで1時間かかってしまう。
どうする〜?

ずいぶん考えた結果、雲が広がり始めたこともふまえて、明日下山して日浦登山口まで車を
取りに戻ったとき探しに行こうということで、先へ進むことになった。
花の先生は、以前もダイヤモンド水で双眼鏡を忘れてしまい、下山時に探したけれど
見つからなかったことがあるそうだ。今度もたぶん…、と諦め顔だった。

牛車道を進むと笹ヶ峰への分岐と出会い、右に折れてほどなく銅山越えに着いた。
だいぶ後から登りはじめたであろう団体さんたちは、私たちが回り道をした分
早く銅山越えに到着していた。単独行の方を含め何人かの方に双眼鏡のことを聞いてみたが、
見たという人はいなかった。ピストン下山するという方に、もし双眼鏡を見かけたら、
高知ナンバーのテ○ノのドアミラーにでも引っ掛けておいてくれませんかと頼んで、
西赤石山頂へ向かった。

銅山越えでいったん降ろしたザックを背負うとき、さらに少し重く感じ、う〜んこれはやばいかな
と思いながら、背丈を被う高さの樹林の尾根道を進む。
緩やかな登りではあるが、だらだらと登り続けるこの尾根に出てから山頂までの部分が、
西赤石では一番しんどい。

 「ザック重(おも)〜!」

肩にも脚の付け根にもずっしりとのしかかる重さ。
銅山越えに出るまでの快適さがウソのようだ。
途中で小泣きじじいでも乗せちゃったかなと思いたくなる。

岩場を乗り越えるたびに歩を止めて休みながら、小ピークをいくつも越えて、
銅山越えから1時間30分でやっと西赤石山頂に着いた。

まるで体の一部が崩れ落ちたようにどさりとザックを降ろして、しばし呆然。


西赤石山頂。4、5人の先客がいた。

おにぎり弁当を平らげて、少しでも荷物を軽くしなくっちゃ、と思うものの、
疲れすぎてあまり食欲がない。それより水を1リットルぐらいがぶ飲みしたかったが、
ここから赤石山荘まではもうひと山、物住ノ頭を越えなければいけない。
水分を途中で切らすことほど心細いことはない。ちゃんと残しておかなくちゃ。
そして山荘に着いたら冷たい山の水をイヤというほど飲んじゃるぞっと思うあ〜ぴょんだった。

けっきょくおにぎりは1個の半分食べただけで残してしまった。
当然のように、ザックはあまり軽くなってはいなかった。
あのせり上がった物住ノ頭までの道をまた重い思いをして登って行くのかあ、、
と思うとちょっとブルーが入ったが、でも一気に登れる距離やん、、とみんなに言われ、
それもそうだなと簡単に立ち直る単純なあ〜ぴょん。
少し雲が厚くなってきたので早めに西赤石を発つ。

西赤石のピークから少し下り、鞍部付近へ来るとだいぶ涼しくて、お花が何種類も咲いている。
南斜面にはまだツガザクラの花も残っていて、花の先生がビデオカメラを取り出し、
一段下の小さなテラスに下りてツガザクラの撮影をしはじめた。


あ〜ぴょんは登山道から見下ろす形でツガザクラを撮ったので、ちょと遠い。


北面が雲に覆われてしまった物住の頭。奥に前赤石山。
その奥、右端ににちょこんと見えるのが東赤石山。

やがて物住ノ頭のせり上がった登りに差し掛かり、あ〜ぴょんは覚悟したが、
あれあれ?あの重みはどこへ?西の山頂までのつらさに比べたら、グッと楽に、
一気に登りきってしまった。どうやら小泣きじじいは下りてくれたらしい。
西赤石から約30分で物住ノ頭山頂。

5分ほど休憩して先に進む。少しの樹林を抜けると一変して赤茶けた岩陵の山に差し掛かる。
ベシベシと荒々しく削られたような、ダイナミックな岩山を見上げながら、
ピーク下の横道を渡って行く。


物住ノ頭から岩山に差し掛かる少し前で。

足元に注意しながら岩場を渡っていくと、植生が一変する。
シコクギボウシの美しい株があっちにもこっちにも、
ロックガーデンのようにセンスよい配置で育っている。
濃い紫の花茎は、これから咲く花の色の鮮やかさを証明しているかのようだ。

岩山を渡りきると前赤石山に取り付く。
ピークはトラバするが、南に張り出した肩を越えるようなかたちで登り、
峠から赤石山荘まで下って行く。

山荘が近くなった頃、サクラソウ科のユキワリソウに出会った。
ひゃあー、うれしい! かわいい! でもはかな過ぎて、風ブレしてしまう。


ユキワリソウ。ブレてしまいました。

前赤石から赤石山荘までの下りは約20分、段差があって、これまでの縦走の疲れも重なり、
足の裏が痛くてたまらなかったけれど、かわいいお花と出会えて心はウキウキ、
がんばって来た甲斐があったなあ〜、と喜びながら山荘裏の水場に直行。

ん、ん、、なんか水の音がしない。ホースを中に引き込んでるのかな?

れれ? ギャー!! み、み、水が出ていない!

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