たんねある記

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2004年10月24日/熊野古道を行く2日目(小雲取越)〜

湯の峰温泉で迎えた朝は、昨日に続く晴天ですがすがしかった。
来たときはものすごく強く感じていたイオウ臭もそれほど気にならなくなっていて、
慣れとは恐ろしいもんだと思いながら、朝早くに用意してくれた朝食を食べ、
7時ぐらいにはバスに乗り込み、出発した。

熊野古道はいくつもルートがあって、昨日歩いた中辺路のルートのほか、
高野山から本宮に通じるル-ト、伊勢からのルート、
今日歩く予定の小雲取越、そして小口から那智大社に至る大雲取越のル-トなど、
全部踏破するには何度かに分けて来なければ困難なようだ。

本日歩く「小雲取越」は、熊野古道の中でも一番雰囲気のよいルートだと言う声もある。
山越えもあり、昨日歩いた中辺路に比べると少しハードなようだが、
それは多少峠越えがあるという意味で、足元の状態は快適らしい。
湯の峰温泉から途中コンビニに立ち寄り、15分ほど走っただろうか、
「小口自然の家」近くの小雲取越ルートの基点に着いた。

熊野古道2日目小雲取越のルート
画像は下山口側の駐車場にあった
ルート図なので、私たちは今回
「小口自然の家」から「現在地」
へと辿っています。

朝霧の中、「世界遺産 熊野古道」の案内板の架かる橋を渡り、飼い犬が吠える民家を
頭上に見ながら案内板に従って民家の間を抜けさせてもらう。

「世界遺産」の案内板から
橋を渡って山側に行く。

民家の間を抜けるとすぐに渋い杉林の中の石段となり、段が落ち着くと
25番と書かれた案内杭がある。
実はここから数字を逆に辿って1番に下りるのだが、ならば1番から歩き始めるのが
順序かと思えばそうではないらしい。まあ、どっちから歩いてもよいのだろうが、
えちごやさんによると、従来の順序はこっちからだということらしい。
運転手かつ案内役さん(ハンドル="住職"?)はバスを1番の駐車場に回送して、
そっちから歩き始め、途中で行き会って私たちと一緒にまた1番に引き返すのだ。
昨日も同じことをしてくれたわけだが、みんなを先導するときはゆっくり登ってくれる
彼も、一人だとたぶん他の人をぶち抜いているのに違いない。


緩い石段を登っていく。静かだ。


25番から500mごとに打たれた杭が目安になる。

周りは杉が多く、鹿よけネットが張られていたりする。
昨日とは違い、きつくはないが最初から登りなのですぐに汗が出はじめる。
とばさないように登っているつもりなのに、ちょっと足が重い。昨日の疲れがあるのだろか。

番号の杭は、500mおきに打たれているようで、それで計算すると本日歩く距離は12km。
実質13kmちょっとはあるようだ。登りばかりじゃないだろうからへばりはしないと思うが、
まあ気負わず周りの景色や雰囲気を楽しみながら歩きたい。

段状の登りがいったん終わり、ややたるみの杉林を通る。渋い。
朝早いせいか、こちらから登っているのは私たちのみで、まだ出会う人もいない。
また登りに差し掛かると右手が開けてきて、眼下に渡ってきた橋などが見えた。
右側の足元下の緩やかな斜面には、なにやら白くて四角い筒がいっぱい立っている。
近づいてみると、鹿の食害を防ぐために保護された桜の苗木だった。
この先に桜峠という坂があるらしく、なるほどすでに葉を落としている周りの木を見ると桜が多い。
春は山のあちこちがピンクに染まるのだろうか。
なおも緩い段状の登りが断続的に続いている。やはり昨日の中辺路ルートとは、雰囲気も
運動量もまったく違うが、あ〜ぴょんはここまで歩いてきて足の重さもだいぶ取れ、
それほどつらくはなかった。
   


↑渋いっしょ。


↑ 横道の山肌にリンドウが咲いていました。

こちらはセンブリ。
煎じて飲むのは苦いけど、花はかわいい。

登りきって、休憩舎のある「桜茶屋」に着いた。右手が大きく開け、お天気のよさもあって気分爽快。
ここまで「25番」から約1時間15分ほど。

「桜茶屋」
気持ちよく休憩できる場所です。

少し休憩してからまた歩き始めると、いったん下り気味になり、ちょっとホッとしていたら、
ふたたび上り坂。どうやらこれが「桜峠」らしい。
道幅は広く、掃き清められたように地面がきれいだ。たぶんほんとに掃いているのじゃないか。
振り返ると後から登ってくる人たちの情景がなかなか絵になっている。

桜峠の途中から。

桜峠を過ぎてしばらくすると、両側が大き目の杉木立ちとなり、

 「おお〜、渋いやん!えいね〜、ここ。」

今回歩いた中で一番気に入ったのがここらあたりだった。地面には緑色のコケまで生えていて、
その道を歩いている自分自身にも酔う、、という感じだ。
しかし今年の台風の影響か、大木が何本かボッキリ折れているのも見た。
雨より風の害がすごかったのではないだろうか。
苔むした道を過ぎると「石堂茶屋跡」という休憩舎に着いた。
この辺で案内役さんと出会う予定なのだそうだが、けっこうみんながんばって歩いたので
まだちょっと先になるかもしれない。


柔らかい射光にコケの道。参道を
通っているような荘厳さすら感じました。

  「石堂茶屋跡」に到着。「桜茶屋」から1時間ほど。

石堂茶屋でも少し休憩してから出発。

道がまたきつい段状の登りになってきた。段状というよりもろ、石の階段である。しかも長い。
自然に先頭になってしまっていたあ〜ぴょんだが、昨日、お酒でしゃべりが絶好調になっていた
おんちゃんと互い違いに並んで登るうち、おんちゃんはそんな意識があるのかどうか、
競争まではいかないけど、なんかどっちが早く歩調を緩めるか、みたいなノリになってきた。
おんちゃん、昨日の饒舌さはどこへいったか、黙々と登っている。
あ〜ぴょんはちょっと息遣いが大きくなってきたけどつらいほどじゃなくて、
この階段を登りきるまでそのまま乗り切れそうだったが、おんちゃんもぜんぜん平気なようだ。
うしろは、見えなくなっていた。

すぐそこだと思っていたのに予想に反して長い石段に、しゃあない、最後までがんばるか、
と気合を入れかけたとき、ふいに前方に案内役さんの姿が現れた。思わず手を振る。

 「けっこう早かったですねえ。予定では石堂茶屋あたりで行き会うはずやったけど。」

そう言う案内役さんとともにそこで後続を待つ形になったので、おんちゃんとの競り合いも
そこで終わりになってしまった。まあ、最後まであ〜ぴょんが一歩ぐらい後ろを行く感じで
行こうと思っていたけど。
(あはは、負け惜しみやろか。)

石段はその先でさらに横木を渡した階段になり、登りきるといったん車道へ出た。
車道を挟んでさらに急登が伸びているようだったが、案内役さんとも合流したことだし、
車道脇のベンチでちょっとお湯を沸かして温かいものでも飲むことになった。

脇に車が1台止まり、運転手さんが話し掛けてきた。私たちとは逆の方から
歩いてきているという十数人のグループにお弁当を届けにきたのだそうだ。
遅いなあとぼやいていた。
案内役さんが、この先の峠のさらに手前でそれらしきグループを
ぶち抜いてきた(笑)そうだから、まあもう少しすれば下りてくるだろう。

私たちはコーヒーや甘酒、モチ入りしるこなどを飲んだあと、最後の急登にかかった。
距離的には短く、あっという間に峠の「百間ー(ぐら)」に着いた。名前のとおり、
断崖絶壁のその場所には団体さんがたくさん群がり、写真を撮っていた。
岩の上には石仏。ワイワイする団体さんの中に、車道で弁当のおじさんが
待ちくたびれているグループがいることを確認。
 「下でお弁当が待っていますよ。」 と告げると下りていった。
わたしたちは人がはけた隙に記念撮影。

「百間ー」の石仏とケルン。

そこから先はもう下るだけだ。のんびりと話をしながら、
伊勢から来るルートとの分岐「万才峠の分岐」を過ぎたのが11時過ぎ。

「万才峠の分岐」
伊勢から来るとこの峠に出てひと喜びという
感じだろうか。
伊勢からここまではそりゃ遠いやろ!

そして1番の杭がある民家の近くに降りたったのが12時過ぎ。
近くには駐車場とトイレがあり、エルク号がみんなを待っていてくれてる。
ほかに観光バスが1台待機していた。

腰をよく伸ばし、整理運動をしてELK号に乗り込み、川湯温泉に行って汗を流した。
11月になるとほんとに川を掘ってプール状にした無料の温泉に入れるらしいが、
たとえ今やっていたとしても、女の人が入るのは勇気がいるよねえ。
建物を構えた公衆の川湯温泉は、湯船に浸かるとものすごく沸いていて、
水が出しっぱなしだった。
表の川も掘れば温泉が出るというから、源泉はよほど熱いに違いない。

次回の熊野古道歩きは、大雲取越に挑戦するとのこと。熊野古道の中でも難所と言われる
きつい山越えがあるそうだが、まあ山登りしているメンバーにとっては難儀というほどでも
ないっしょ、みたいなことを言うえちごやさん。しかし、那智勝浦まで行くんやろ?
遠いよなあ。それでも都合がつけば参加したいと思うあ〜ぴょんだった。

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